君と奏でるノクターン
薄茶色のふわふわした髪、整った横顔が見える。


「……詩月」

綺麗な横顔だな。
男とも女とも見分けがつかない。

ミヒャエルは思いつつ、席に向かう。


瞬きも忘れてピアノ演奏に聞き入っている、詩月。


「返信しろよ」


ミヒャエルは席に着きながら、一言。


「弾けないようなら連絡しない」


詩月はミヒャエルを見上げ、悪気なく微笑む。


「あははは」

思いもよらない返事に、ミヒャエルは目を丸くし笑いだす。


「……頭のネジ、抜けてないか?」


詩月は、ミヒャエルをマジマジと見つめて言う。


熱いのかクールなのかを考え、ミヒャエルは首を傾げる。


「お前は顔と中身が違うな」


「……どういう!?」


「口を開くとキャラが……イメージが違う」


「……アイドルスマイルでもするか?」

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