シンデレラの落とし物
はなれたくないーーー。
美雪は両手を秋の首の後ろに回し、体を密着させた。
美雪を追っていた外人たちは、キスをしたままいつまでも離れないふたりに当てつけられ、ブツブツいいながら消えて行った。残されたふたりはお互いの体に腕を絡ませ、いつまでもそうしていた。
「秋くん、色々ありがとう」
「オレのほうこそ。一緒の便に乗っていくことはできないけど、気を付けてな」
感謝を込めて頭を下げる美雪に、秋はとびきりの笑顔を返した。その笑顔は誰が見てもアイドルの大野秋だった。
空港は様々な人間が出入りする場所。一定の距離を置いて話すふたりはどこから見ても、顔見知りの友人が話しているように見えるだろう。
日本に戻れば彼はアイドルに戻る。
一緒に帰ることはできないからと、便を遅らせて日本へ戻るといっていた。
美雪の乗る飛行機の搭乗アナウンスが流れる。
いよいよほんとうにお別れだ。
「じゃあ、また、いつか」
見送りに来てくれた秋に、手を振る。
「ああ、またな。そのミュール、大事にして」
同時に美雪の足元を見る。目を合わせると、堪えきれずに笑いあった。
美雪は両手を秋の首の後ろに回し、体を密着させた。
美雪を追っていた外人たちは、キスをしたままいつまでも離れないふたりに当てつけられ、ブツブツいいながら消えて行った。残されたふたりはお互いの体に腕を絡ませ、いつまでもそうしていた。
「秋くん、色々ありがとう」
「オレのほうこそ。一緒の便に乗っていくことはできないけど、気を付けてな」
感謝を込めて頭を下げる美雪に、秋はとびきりの笑顔を返した。その笑顔は誰が見てもアイドルの大野秋だった。
空港は様々な人間が出入りする場所。一定の距離を置いて話すふたりはどこから見ても、顔見知りの友人が話しているように見えるだろう。
日本に戻れば彼はアイドルに戻る。
一緒に帰ることはできないからと、便を遅らせて日本へ戻るといっていた。
美雪の乗る飛行機の搭乗アナウンスが流れる。
いよいよほんとうにお別れだ。
「じゃあ、また、いつか」
見送りに来てくれた秋に、手を振る。
「ああ、またな。そのミュール、大事にして」
同時に美雪の足元を見る。目を合わせると、堪えきれずに笑いあった。