君色-それぞれの翼-
入学試験
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テレビばっか見て餅ばっか食べて。
当然今年の冬休みも
そんな感じで過ぎて行くんだろうな、って思ってた。
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「希咲、あんた塾何日から始まるか分かってる?」
友達からの年賀状がだいたい届いてきた今日。毎年の様にテレビの前で横になるあたしにお母さんが聞いてきた。
「えー、どーせ冬休み明けでしょ?」
そう言ってチャンネルをコロコロ変える。
するとお母さんはあたしの手からリモコンを奪い取り、テレビの電源を切った。
「受験前にそんな余裕ある訳ないでしょ!!4日からよ!!明日から!!」
「は?」
お母さんの言葉に、あたしは言葉を失った。
鏡で自分の顔を見てみると、寝過ぎだろうか、浮腫みが酷い。
髪の毛もボサボサで、人に見せられる姿では無かった。
「…酷い顔……。」
思わず口にした言葉に虚しさを覚えた。
年賀状を書く際に戦場と化した机から、塾のテキストを掘り出す。
引っ張り出したと同時に山崩れが起き、あたしは何度も放心状態になった。
「……片付けなきゃ…」
年末にしなければならない大掃除を、何故か年始にする。よく考えると馬鹿馬鹿しい。
今年はちゃんと年末に掃除をしよう。
そう心に決めた。