君色-それぞれの翼-
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「戸谷君宿題やってきた?!」
授業が始まる15分前。
あたしは今更宿題をやっていなかった事に気付く。
戸谷君は鞄から問題集を出してあたしに手渡すと、いつもの野球雑誌に視線を戻した。
塾に通い始めてからもう2ヶ月。少し肌寒くなってきた。
あれから戸谷君とは普通に喋れる様になった。
いや…喋れるように努力した。
最初の方なんて、話を聞いているか聞いてないか分からない様な反応だったから。
#######
「戸谷君ー、野球って楽しいー?」
ある日あたしがそう聞くと戸谷君はチラッとあたしの顔を見て、直ぐさま視線を雑誌に移した。
せめて頷け。そう思った。
こんなこともあった。
「戸谷君、次の授業って算数?」
戸谷君は分からない位微妙に首を縦に振った。
国語だった。
坂田先生が入ってきたことに驚いたあたしは、当然算数の教科書をしまいながら戸谷君を見た。
しかし戸谷君は"ざまーみろ"というような微妙な笑いであたしを見ていた。
戸谷君…は実は、超ドS。
##########
その他にも色んなことを知った。
まぁ、全部後で知った事だけど。
まず、カッコいい。これは最初から分かっていたこと。
次に、賢い。
そして、野球バカ。
少年野球ではサウスポーのピッチャー、エース。
家はボンボン、縮緬屋。
でも、少し変わり者。
戸谷君の筆箱に付いているキーホルダー。…食い倒れ人形。
言う事無し。でも少し変。
でもあたしにとって戸谷君は…とても魅力的だった。
「戸谷君宿題やってきた?!」
授業が始まる15分前。
あたしは今更宿題をやっていなかった事に気付く。
戸谷君は鞄から問題集を出してあたしに手渡すと、いつもの野球雑誌に視線を戻した。
塾に通い始めてからもう2ヶ月。少し肌寒くなってきた。
あれから戸谷君とは普通に喋れる様になった。
いや…喋れるように努力した。
最初の方なんて、話を聞いているか聞いてないか分からない様な反応だったから。
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「戸谷君ー、野球って楽しいー?」
ある日あたしがそう聞くと戸谷君はチラッとあたしの顔を見て、直ぐさま視線を雑誌に移した。
せめて頷け。そう思った。
こんなこともあった。
「戸谷君、次の授業って算数?」
戸谷君は分からない位微妙に首を縦に振った。
国語だった。
坂田先生が入ってきたことに驚いたあたしは、当然算数の教科書をしまいながら戸谷君を見た。
しかし戸谷君は"ざまーみろ"というような微妙な笑いであたしを見ていた。
戸谷君…は実は、超ドS。
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その他にも色んなことを知った。
まぁ、全部後で知った事だけど。
まず、カッコいい。これは最初から分かっていたこと。
次に、賢い。
そして、野球バカ。
少年野球ではサウスポーのピッチャー、エース。
家はボンボン、縮緬屋。
でも、少し変わり者。
戸谷君の筆箱に付いているキーホルダー。…食い倒れ人形。
言う事無し。でも少し変。
でもあたしにとって戸谷君は…とても魅力的だった。