君色-それぞれの翼-
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「ばいばーい!!また部活でねー」
「宿題やんなよー!!」
「分かってるし!!」
夏期講習が無い日は毎日部活が遊びだった。
戸谷君には殆ど毎日会えた。
会って挨拶して黙々と勉強して…。ホント、ガリ勉みたいだった。そして何事も無かったかの様に帰る…。
部活の時は遠くから眺める。
そんな毎日。
でも、最近はこの状況も別に良いんじゃないかって思う。
あきららめよう…
正直そう思いかけてる。
想い続けるって…決めた筈なのに…
遠いんだもん。笑えないし、辛くなるだけ。
ならいっその事忘れてしまいたい…
逃げたい………
でも
戸谷君が頭から離れない…
中学1年でまだ早過ぎたんだ…
私立の学校で良かったよ。
夏休みが…たったの四週間。
早く学校が始まって
もっと距離があいて
あたしの心から戸谷君がいなくなって
好きという感情が無くなってしまえば
どれだけ楽だろう?
なんて。
毎日涙を堪えるので必死なんだけどね。