君色-それぞれの翼-
バスを降りて直接塾に向かう。
宿題の内容が難しいだけあって、気が重い。
頭痛を和らげる為に歯を強く噛み合わせ、あたしは塾に急いだ。
久しぶりの、誰もいない教室。
息を吐いて席に着く。
こうして教室を見渡すのも久しぶりだと思いながら、プリントを広げた。
「あーもぉ…分かる訳ないしっ…」
そういえば
最近独り言が増えてきた気がする。
独り言が多い人は寂しがり屋だって、誰か言ってたなぁ…。
「…まさか。」
あたしはまたプリントと向き合うために下を向いた。
「――――っ!!」
あたしは声にならない声をあげた。
痛い…頭が痛い…
「ん―――っ!!」
もう…我慢出来そうに無い。
堪えてた分身体が熱く、寒さで震えてシャーペンが持てない。
頭痛が酷くて涙出そう――――
「いた……い…………」
「一橋?」