君色-それぞれの翼-
不器用な貴方なりの優しさが伝わってきて
強引に、じゃなくて、わざわざ身体を支えながら立たせてくれたこと
気にかけてくれたことで
心が温かくなって
目頭まで熱くなってきたんだ…
**********
ピピッ
39℃2分…
「…こんなに上がるものなんだ…」
薬を飲んでだいぶ楽になり、あたしはベッドの中で身体を丸めた。
気付かないうちに手は額へと移動する。
『お前顔赤いし…』
額に触れた手は
指切りをした小学生の頃より
随分大きくなっていた。
「優しすぎだよ……」
貴方を思って泣くのは何度目だろう…?
でも貴方はきっと知らない。
あたしが泣いたことなんて。
…知らない方が良いんだけど…。
「好き…………」
この気持ち
いつか伝えられるかな…