一途なあたし。
恋の強敵
「転校生見た?!」
「みたみた!本当っ可愛いよね」
「エマちゃんだっけ?あのお顔もスタイルも欲しい!」
今日はどこにいってもエマちゃんの話題で持ちきりで
そのたびに旬との関係を思い出してしまって
転校生っていう学生生活において何気ない出来事が
あたしにとってすごく辛く感じた。
いつもは教室で食べるお弁当も
今日は続々と隣のクラスにエマちゃんを見に来る人で
とても騒がしくて、隣の教室で普通に会話しながら
食べるには少し無理があるほどだった。
「ね...はる、テラス行かない?」
「えっあうん、そうだね」
朝まではみんなと同じように興奮していたのか
さすがの騒ぎにみているだけで疲れたのか
リサはそういって目を細めて廊下を見つめた。