一途なあたし。




そうつい強く言い過ぎてしまったとき、

旬の友達もみんな箸の持つ手をとめ

あたしたちのやり取りを見ていることに気がついて

ふと我に返った。



あたしはグッとしゅんに掴まれた腕を

振りほどく。


「怒ってないってば!!!」

「あの...」



最後に、と思って強く言ったとき


ソプラノの綺麗な声があたしと旬のやり取りを遮った。



みんなの視線は一斉にエマちゃんに向けられた。




「あの...何があったのか知らないですけど、旬くんはあなたのことを心配してくれているんだと思います...だから、これ以上怒らないであげてください!」


そういってエマちゃんは頬を赤く染めて俯いた。


えっ....。

シーンとその場が静まり返る。









その沈黙を破ったのは旬だった。
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