一途なあたし。
「...る、はる...」
「んん...あっ!あたしってば...」
気がつけば辺りはオレンジ色の夕日が差し込んでいた。
「うん、寝てた」
あたしは旬の肩にもたれて寝ていたらしく
ガバッと起き上がり体勢を正すと
旬は伸びをしながら笑ってそう言った。
「ずっと...いてくれたの?」
だって、あたしは泣いて...そのままきっと
寝てたんだよね?
旬は立ち上がると夕日をみて「うん」と言った。
「ありがとう...」
旬があたしを心配してくれていたこと
ずっと傍にいてくれたこと
考えるだけで胸がきゅんっとなった。
けど...それも一瞬で、エマちゃんの顔が頭に浮かんだ。
...あんなことあって逃げてきて、
旬にも謝らないといけないんだよね。
でも、謝ったらなんだかエマちゃんに負けた気がして
あたしが間違ったことをしたみたいな気がして
まだ子供なあたしは
「それじゃあそろそろ行かないと...」
「あっはる!」
「ごめんね、色々ありがとう。また明日!」
学校から家までずっと一緒な旬と帰るのが
なんだか気が引けて...
旬を避けるようにしてその場をあとにした。