一途なあたし。
やっぱり、そうだよね。
いつもならノリで返すし
意味もなくあんなふうに旬の前で
涙を流すことなんて
今までなかったもん。
「いや、別に俺は謝って欲しいわけじゃなくて。お前が心配なだけ」
....やめてよ、旬。
そんなに優しい言葉をかけられたら
もっと好きになってしまいそうだよ。
「はるの考えてること無理に聞き出そうとしないけどさ」
「うん...」
「まぁ正直俺はエマと何にもねぇし」
「...えっ」
...なんでそういうこというの
うそ...あ、あたしがそれ気にしてるって
まさかばれてたの!?
彼女でもない...ただの幼馴染なのに
そんなこと気にして期限悪くしてって思われたら
え....うそだ。
「あっあたしは別にエマちゃんなんか気にしてないよ...?」
「そっ...か、ならいいけどまぁ深読みはすんじゃねーぞ。」
「う、ん」
「んじゃ!また明日な!」
旬は最後にいつものようにいたずらっぽく優しく微笑んで
あたしの髪の毛をくしゃっとすると
ベランダから部屋に戻っていった。
頭に少し余韻が残る...
あぁ、もうあたしってばなんでこんなに
....素直じゃないのよ。
エマちゃんと旬のことばっかり気にしているくせに。
...もうすこし、素直にならないと。