一途なあたし。



あたしが半開きの口で立ち尽くしていると

リサが「強行突破だ!」なんてあたしの手を掴んで

人ごみの中に入ってゆく...




しばらくしてなんとか最前列まできたとき、

リサは「かっ...かわいい」と

ため息混じりにそういった。


つられたあたしも教室の中に目をやるとそこには



色素の薄いアッシュカラーの長い髪の毛に

ヨーロッパ系の外国人特徴の真っ白い肌。

さらに高くて綺麗な鼻と大きなぱっちり二重の瞳に

ぷるっと小さな赤い唇が均等な位置に整っていた。




周りからは゛お人形さんがいる゛なんて声が

幾度となく聞こえてくるけど、本当にそんな感じ。


彼女はイスに座っていて、周りに集まる女子達に

廊下のあたしたちの存在について言われたのか

こちらに目を向けると華奢な両手で小さな顔を包み込み

肩をクイっと内側にすくめると....もう、すっごく可愛く微笑んだ。


なっ...なに今の可愛いし仕草。


女のあたしですら鼻血が出そうなくらい可愛い...



そう思ったのはきっと周りにいたみんなも同じで

「いまの仕草なに!あたしも真似する」

なんて言葉があちらこちらで聞こえてきた。
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