一途なあたし。
自己紹介のときの声も
ソプラノといった高さで可愛くて...
なんかもう、欠点がないってまさにこういうことなんだと思う。
あたしは1人納得した。
体育が終わり、更衣室で着替えリサより早く終わったあたしは
廊下でリサを待っていた。
すると『クイッ』と髪の毛を後ろから引っ張られ
振り向くとそこには「チビ!おはよっ」と
笑顔の旬が立っていた。
「ちょっと~びっくりした!」
あたしは髪の毛をさっと治して笑いながら旬を見る。
体育後でYシャツのボタンは2つあいていて
そこから見える綺麗な鎖骨。
腕まくりされた袖からみえる筋肉質な腕に
まだ結んでいないネクタイを首にかけていた。
...なんか...カッコイイかも...
地毛の茶色い髪の毛が光に反射する。
「なーに見とれてんだよ!」
「みっ見とれてなんかないっ!!」
旬はあたしの顔を覗き込むように少し身をかがめ
大きな瞳を細めて笑うと
「あっそ?そういえば...」
と何かをいいかけたけど、
「旬くん!」と同時にあのソプラノの可愛い声が
重なった。