予想外の恋愛
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「おはようナギサちゃん。お客さんが来てるよー」
日曜日の朝。
出勤すると、奥の席に中島さんが一人で来ていた。
急いでホールに出る用意をして駆け寄った。
「中島さんこんにちは。日曜日の朝なんて珍しいですね」
「おはよう。今日は個人的にナギサちゃんに用事があったからちょっとね」
中島さんはいつも仕事の合間に来てくれるので、日曜日に来ることはとても珍しい。
それに一人なのも久しぶりだ。
「用事って…?」
「この前の土曜日のことなんだけど」
「ああ!」
土曜日、朝田さんと出掛けることになったきっかけは、そういえば中島さんだった。
中島さんが空けといてと言っていなかったら普通にバイトしていただろう。
「あの土曜日は、てっきり中島さんが私に用事があると思ってたので焦りましたよー!」
「はは、ごめんごめん。実は最初から朝田と出掛けてもらおうとおもってあんな風に言ったんだ。後から朝田に電話もらったけど…あいつ本当に素直じゃないよね」
朝田さんが中島には俺が話つける、と言っていたのを思い出した。
二人でどんな話をしたのだろう。
吠える朝田さんとなだめる中島さんが頭に浮かんで、ちょっとおかしくなった。
中島さんはいつものアメリカンを飲んでいる。
テーブルの上にアメリカンが一つしかないことに、違和感を覚えた。