予想外の恋愛
ツーツーというむなしい音が耳に響く。
携帯を耳に当てたまま、動くことが出来なかった。
朝田さんの拒絶するような声が、頭の中で何度も何度も再生されて。
むかつく。勝手な男。むかつく。
だけどそれ以上にとても悲しい。
「くだらねえこと、か…」
じゃあ朝田さんが私にくれたものやしてくれたことも、くだらないことだったのだろうか。
だけどそれだと、まるで朝田さんとの少しの思い出が消えてしまいそうで。
私にとってはくだらないことなんかじゃない。
次にお店に来てくれるときは、もう本当にどう接したらいいかわからない。
いつも通りなんてもう無理だ。
悔しくて悲しくて、それでも会いたいし声だって聞きたい。
だけど私からはもう何も出来ない。
そうして、どうしたらいいかわからなくなってしまった私に中島さんが会いに来たのは、それから3日後のことだった。