予想外の恋愛



「あの後、私朝田さんに電話してみたんです。そしたらやっぱりいつもと違って…冷たくて拒絶されてる感じで。
きっと私が家に行ったって、嫌がるだけです」


ドアを開けてもくれないかもしれない。
また、くだらないと言われるかもしれない。

次、また冷たく突き放されたら…立ち直れない気がする。


「それはいつから?」

「え、っと…この前、家の前で遭遇したんです。その時私ちょっと人と一緒にいて朝田さんと話したりはしてないんですけど。その後からですかね…」

「へえ。その一緒にいた人は男だったワケだ」

「なっ!」

「ひょっとして、同窓会で再会したっていう元カレだったりするんじゃない?」

「エスパー!?」

「キスでもしてたの?」


思わず一歩後ずさる。
まるで見ていたかのような指摘に驚かされる。


「そ、そこまではしてないです…」

「ちょっといい雰囲気だったんだ?」


結果的に近藤くんの告白は断ったけれど、あの場面だけ見られたらそういう風に見えただろう。


「そういう風に見えても仕方ない状況ではありました。その後、その元カレとはやり直せないって言ったんですけどね…」

「なるほど。あいつはそれを見て誤解したと。ふーん…ねえ、ナギサちゃん」

「はい…」

「朝田のこと、嫌い?」




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