予想外の恋愛
「ご飯は食べましたか?薬は?」
「お前は俺のオカンかよ」
「水分補給はしてますか?ちゃんとしないと治るものも治りません!」
心底迷惑そうな朝田さんの態度に怯みそうになるけれど、こんなに弱っている朝田さんを放って帰るなんて出来ない。
「すぐに帰りますから。せめて冷えピタだけでも貼らせて!」
「ぶはっ」
私の言葉に朝田さんが噴き出した。
私の勝ちだ。
「っとに…なんなんだよお前まじで」
「すいませんね。とにかく薬を飲むところまでは見届けさせて頂きますので」
「冷えピタは貼らねーのかよ」
「五枚ぐらい貼ってあげますから!早く家に入れてください」
「凍え死ぬわ」
なんとか家の中に入れてもらえた。
よかった。すごくよかったけれど、朝田さんの家に二人きりという状況はとても緊張する。
だけど緊張だとか不安だとかを通り越して、朝田さんの側にいてあげたいと思った。こんなにもしんどそうな姿は初めて見る。
「…わりぃ、ちょっと歩くのもしんどいからベッドに横になってていいか?」
「今からお粥作るんで寝てていいですよ。出来たら起こしますんで」
「…卵のやつ」
「了解です」
朝田さんがなんだか可愛い。
言ったら怒られるので絶対言わない。