予想外の恋愛
「ん、おいしい」
お粥が出来上がったところで、寝室に朝田さんの様子を見にいった。
どうやら眠っているらしい。
穏やかなその寝顔はまるで子供のように幼い。
キレイな顔立ちに思わず釘付けになり、ぼーっとその寝顔を見つめた。
「ん…」
途端に眉間にしわが寄せられてモゾモゾと動き出した朝田さん。
うっすらと目が開いたと思うと、ばっちり目が合った。
「お、おはようございます」
「んー…」
まだ少し寝ぼけているのか、うつろな目で私をじっと見ている。
「………ナギサ」
ドキンと胸が高鳴った。
寝起きの掠れた声で名前を呼ばれたかと思うと目が細められてニコッと微笑んだ。
…反則だ。
そんなことをされるともうどうしようもない気持ちになってしまう。
「あ、あの、お粥出来ましたけど…すぐに食べられそうですか?」
「んー………ん?あれ…」
ゴシゴシと目をこすり瞬きをする朝田さん。
その目がだんだん大きく見開かれていって…。
「…あ?俺今…寝ぼけてた?」
どうやらやっと覚醒したらしい。
いつもの顔に戻ってしまった。
「寝ぼけてたっぽい、です…」
「あー、わり。…なんだっけ。ああ、そうお粥。食べる」
「あ、はい。持ってきますから待っててください」
パタパタとキッチンに向かいながら、自分の顔が赤いのがよくわかった。
(か、可愛すぎる…)
これがギャップ萌えというやつだろうか。
そんな技まで持っているとは知らなかった。
どれだけドキドキさせれば気がすむのだろう。