予想外の恋愛
自分の勘違いだったとわかってくれたのか、朝田さんは驚いた顔で固まった。
袋から冷えピタを取り出してシートを剥がす。
「…貼りますよ」
前髪を挟まないように気をつけながらおでこにペタっと貼った。
「つめた」
「我慢してください」
私が好きなのは朝田さんなんです。
いつの間にか好きになってたんです。
…そう言ってしまいたいけれど、そこまではまだ勇気がない。
おでこから手を離して引っ込めようとすると、手首を掴まれた。
「…」
「…」
掴まれたところが熱い。
朝田さんとの距離が近い。
風邪を引いているせいか熱っぽい瞳で見つめられ、金縛りにあったように身体が動かない。
「…前に、欲しいものはないかって聞いてきたよな」
「へ…」
「それ、今もらう」
そう言った朝田さんが掴んでいる私の手首をぐいっと引っ張った。
もう片方の手が背中に回されたと思ったら、朝田さんの顔が目の前に迫って。
気付いたときには、キスされていた。