予想外の恋愛
災難な女子会
朝田さんの看病をした翌日の夜。
なんと朝田さん本人から電話がかかってきた。
この人に私はキスされた。
こっちはものすごく気まずい気持ちでいっぱいなのに、次の日に電話をかけてきたことにまず驚いた。
震える指でなんとか通話ボタンを押す。
「はい……沖野です」
「知ってるわ」
ツッコミの速さはさすがだ、この人。
「ど、どうかしましたか」
「あー、昨日さ」
「きっ昨日ですかっ!?」
まさか、あの話題に触れるつもりなのかと動揺してしまう。
もう少し私の気持ちが落ち着いてからにしませんか。
「お前、お粥の他にも色々作ってくれてたんだな。今日起きてやっと気付いた」
「…ん?ああ、はい」
「どれも美味かった。さんきゅーな」
「そ、それは全然…。食べてもらえてよかったです」
「あれどうやって作ってあんの?また食べたいんだけど」
「あ、あれはですね」
…確かにお粥の他にも料理は作っておいた。朝田さんに食べて欲しくて。
だがしかし。
そこじゃないだろう重要なのは。
だけどしばらく会話していても、朝田さんがキスのことを話し出す気配はない…。
一体なんのための電話なのだろう。
「…あの、朝田さん?」
「あ?」