予想外の恋愛
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「誰が沖野オーシャンだ!」
「あっははは!もう最っ高!」
同窓会にて。
100人近い同級生が集まった会場でマチと並んでお酒を飲む。
せっかく来たのに私達の話題はもっぱらさっきのカフェでの出来事。
「言ってた通りの辛口男ね、朝田さん!それにしても…ぶふっ!オ、オーシャン!」
「マチ笑いすぎ!」
がやがやしている会場内でもマチは目立つ。
ここへ来てからというもの、男の視線がマチに注がれているのに気付いているのだろうか。
それにこの爆笑ときたら、目立つというより浮く。
「ねえナギサ、近藤くん、来てるね」
「え?あ、あぁ…」
「なに、あんた忘れてたの?」
ショックだ。
あの辛口男のせいで肝心なことを忘れていた。自分の脳みそがあの男に侵略されていくみたいでツライ。
会場をぐるっと見渡してみて、昔と変わらないその横顔を見つけた。
同級生と楽しそうに話している笑顔は昔のままで、胸がぎゅーっと締め付けられた。
「相変わらず、男前だなあ」
「ほんとね。ナギサから話しかけてみたら?」
「えっ無理無理無理。…元気そうなの見れただけで充分」