予想外の恋愛
「…最近、朝田と会った?」
中島さんにそう聞かれ、肩がびくっと震えた。
「き、昨日…話があるって言われて会いました。だけど私、勘違いして…」
「あちゃー…間に合わなかったかあ」
「私きっと、すごく傷付けました…。自分は振られたとばかり思ってました…」
「そんな気持ちなら譲れないわ」
弱気な私に釘をさすように、川瀬さんがキッパリとそう言った。
「自分から告白もしないで何が振られた?逆よ。気持ちを伝えようとした朝田をあなたは振ったのよ」
「川瀬、」
「ああもう腹が立つ。何回告白したってこっちは叶わないっていうのに。一回も勇気を出さないでなにが失恋よ!」
そう言った川瀬さんは足を組んで背もたれにもたれ、フンッと鼻を鳴らした。
そうだ。気持ちを伝える前に勝手に諦めようとしていた。
まだ朝田さんの口からも、何も聞いていない。
「ナギサちゃん…ほんとに朝田のこと好きなんだね。今のその顔、あいつに見せてやりたいよ」
中島さんは私の味方だと言ってくれた。
その言葉通り、優しい笑顔で私を正しい道へと導いてくれた。
「昨日、朝田が話したかったことは何なのか。今なら正しい答えがわかるんじゃない?まだ全然遅くないよ。あいつはきっと待ってる」
「中島さん…」