予想外の恋愛
「………ん?」
「………うん?」
なに?とでも言いそうな口調の朝田さんがニコニコしている。
「ちょっと。どいてくれませんか…って!どこ触って…!」
「言っとくけど」
朝っぱらから力強い腕で拘束してくる。
「昨日の一回なんかじゃ俺は全っ然足りてねえ」
「一回!?一回だったっけ!?」
「まあだいたい一回だ」
「そんなアバウトな!」
「いいからもう一回抱かせろ」
「っ!んう…」
拒否権なんてない。
降り注ぐキスの嵐にすっかり飲み込まれ、気付けばこの人のペースにはまるのだ。
そしてそれを、嫌だと思っていない自分にほとほと呆れる。
どんだけ好きなんだか、お互いに。
それから軽く三時間はベッドの上にいた私達。
「そ、そろそろ本当に起きないとやばいから!一回家にも帰らないといけないし…」
「…」
「ね?」
「…仕事終わったら、またここに帰ってこい」
ぶすっとした表情でそう告げる朝田さん。
不器用な人だけれど、こんなにも愛されてると実感させてくれるのだ。
「今まで散々焦らされた分、これからは出来るだけ俺のそばにいろ。いいな」
「…もうちょっと優しく言えないの?まったく横暴なんだから」
「ナギサ」
急に耳元に口を寄せてきて、息を吹き込むようにそう囁かれたから。
「…愛してるよ」
私はもう身も心もこの人の虜になってしまう。