予想外の恋愛
「いらっしゃい。あれ、どうしたの」
店に着いた俺たちを店長が出迎えてくれた。
「お疲れ様です店長!マチと中島さんいます?」
「ああ、奥の席で相席してるよ」
「楽しそうだから私達も混ざろうと思いまして」
「えー、僕も混ざりたいなあ」
…この店長も、何も考えてないように見えてなかなかのやり手だ。
コーヒーはもちろん美味いし、何よりナギサのことを考えてくれているのがわかる。
川瀬のことを中島に伝えてくれたのもこの人だったらしいし。
…思えば、結構世話になってんだな。
「朝田さんもこんにちは。ゆっくりしてってくださいね。アメリカンでいいですか?」
「いつもすいません」
「大事なお客様ですからね」
この人がこの店をやっていなければ、俺はナギサに出会うことはなかったんだな。
そう思うと、感謝してもしきれない。