予想外の恋愛
「あ!ナギサと朝田さん!」
「え?嘘。どうしたの二人共」
「こんにちはー中島さん!マチ、久しぶりだねえ」
「ほんとよー!朝田さんと付き合ってから連絡くれる回数減ったんじゃないのー?」
四人掛けのテーブルに一緒に座る。
「中島、お前今日午前中だけ会社行ってたのか?」
スーツ姿の同僚にそう問いかけた。
「そうなんだ、ちょっとトラブルがあって。でもなんとかなりそうだから早々と切り上げて、帰りにここに寄ってみたんだ」
休みの日まで仕事か。
俺のことをエースだとかいうこいつも相当な仕事人間だろう。
「マチはどうしてここに?」
「近くに用事があったのよ。ナギサいるかなーと思ってお店に入ったら、なんと中島さんがいたってわけ」
本田マチには、大きな勘違いをさせられたことがあった。
俺と中島がこの店に来るとナギサが嬉しそうにしてる…とかなんとか言われた俺は、てっきりナギサが中島に惚れてるんだと思った。
だって俺に対してはありえないと思ったから。
…もしその頃から俺とナギサが付き合うことを予想してたっていうなら、この女はかなりヤバイ。
まあこれだけ美人な女なら恋愛経験も並大抵じゃないんだろう。
…ということにしておく。