予想外の恋愛
同窓会で元カレの近藤くんと再会し、ちょっと良い雰囲気になった帰り道。
別れたことを後悔してると言った近藤くんの真意を探ることなく、駅までの道を一緒に帰った。
高校生の時、確かに私は振られたのだ。
あんなに好きな人だったし、当時はとても悲しかった。
だけど今も引きずってる訳ではない。
正直、近藤くんの後悔してる発言にすごく戸惑った。
「…ていうか、お二人とも仕事中ですよね。いつも来てくれてますけど大丈夫なんですか?」
きっちりと中島さんの方だけを向いて話しかけると、相変わらずの爽やかな笑顔で答えてくれた。
「営業職だからね。今は俺と朝田でペア組んで回ってるんだ。数字さえ上げれば割と自由はきくよ」
「そんなものですか」
「ひどい奴はパチンコとか行ってるよ。まあ俺たちはここで仕事の作戦とかも立ててるんだ。で、ちょっとコーヒー飲んで休憩してから次の営業先に行ったりね」
「へえー。この前は土曜日なのにお仕事でしたよね。営業って大変そうです…」
「…お前、中島と話す時と俺の時で態度違いすぎだろ」
口を挟んできた朝田さんの方を見ると、テーブルに肘をついてつまらなさそうな顔をしていた。