予想外の恋愛
「とにかく。日曜13時に駅。いいな」
「なんの用事か教えてもらえませんか…」
「…来たらわかる。もし万が一、来ないようなことがあったら…」
朝田さんの次の言葉を待ちながら、ごくり、と息を飲む。
来ないようなことがあったら…?
ブチッ
…は!?
「切れた…?え?ウソ!」
その電話は唐突に切れた。
む、ムカつく…。
朝田さんの一方的すぎる態度にムカつく。
携帯を握る手を怒りで震わせながら、だけど必死で考えた。
一体なんの用事があるのか、どういうつもりなのか、行かないとどうなるのか。
考えても一つもわかるはずがない。
朝田さんについて私が知っていることといえば、口が悪い、性格が悪い、ぐらいじゃないだろうか。
初めて朝田さんに会った日から、もう半年がたっている。
その間に会話はたくさんした…と思うけれど、99%が喧嘩だ(そしてとてもどうでもいい言い合い)。
最近中島さんに聞いた情報では、どうやら仕事はエースと呼ばれるほど出来るらしい。あと嘘みたいだけどモテるらしい。
ため息がもれる。
日曜日が来なければいい、そう思いながら、窓から雨を眺めた。