予想外の恋愛
「…腹立たしいほど素敵なお天気」
日曜日。
休みということもあり、9時頃にようやく目を覚ましてみると、外は素晴らしい晴天。
「行くしかない、か…」
重い身体を引きずり、それはもうものすごく渋々、出掛ける準備を始める。
どこに行くのかもわからないので、どんな格好をすれば良いのかもよくわからない。
デートでもあるまいし、気合を入れる必要はないだろう。
だけどあまりにも気の抜けた格好だと、朝田さんにまた何か言われるに決まっている。
どうにか中間の服を選んで、全ての準備を終えたところで携帯が鳴った。
着信:要注意人物
「…もしもし」
「おはよ。今日の約束覚えてるか?」
………少しの間固まる。
今、なんて言った?おはよ?
今までそんな優しい言葉は聞いたことがない。
「おい、聞いてんのかコラ」
…今の嘘、やっぱり優しくない。
「…覚えてますよ、行けばいいんでしょ行けば」
「おー、時間と場所間違えんなよ。じゃあな」
それだけ言うとまた唐突に電話は切れた。
一体なんだというのか。
おかしい。絶対におかしい。
意味のわからない約束を取り付けて来たかと思えば、当日に念押しの電話。
よほど来てもらいたいのだろう。
何かを企んでいるようにも思えるけれど。