予想外の恋愛


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バイトが18時までの日。

仕事終わりにマチがカフェに来てくれたので、そのままここでお茶しよう、ということになった。



「マチちゃんこんばんは。何にする?」

「店長さんのオススメでお願いしまーす」

「任せて!ナギサちゃんは?」

「今日はカフェモカにします」

「了解。ちょっと待ってて」


店長がコーヒーを淹れてくれる。

自分のお店で休憩中にコーヒーを飲むことはあるけれど、客として座るのは久しぶりだ。



「で、今日はどうしたの?いきなり来るからびっくりしたけど」

「仕事が思ったより早く終わって時間空いたからね、ちょーっと気になることもあったし」


そう言ったマチは相変わらずの美しさだ。

仕事終わりなのに全く崩れていない化粧に、髪は出来る女風にアップにしている。

膝丈のタイトスカートで足を組む姿は、私がもし男だったら完全に惚れているだろう、と思う。



「何それ?なんの話」

「あ、本題はそれじゃないの。綾の二次会についてなんだけど」


そこへ店長がコーヒーを運びに来た。


「お待たせお二人さん」

「ありがとうございます店長」

「ありがとうございますー」


マチの前にミルクを差し出す。


「すごい、私がミルクだけ入れる派って覚えてるの?さすがね」

「別にお客さんみんなの好み覚えてる訳じゃないし。身近な人の飲み方ぐらいはね」

「へーえ」



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