予想外の恋愛


「で、二次会の話ね?ナギサもちろん行くでしょ?」

「うん、参加するって綾にも言ったよ。マチも行くでしょ」

「もちろん」

「同窓会の時、結婚するなんて言ってなかったよね。急に決まったのかな」

「あ、それね。私も気になったから聞いてみたの」

「え、聞いたの?」


マチは昔から、気になることがあったら徹底的に調べ上げるタイプだ。
この子の前では隠し事なんて出来ないと悟ったのは、高校生の時。


「旦那さんが年上らしいんだけど…転勤が決まったんだって」

「あ、なるほど…」

「同級生になるべく来て欲しいってのも、引っ越すとなかなか会えなくなるからって言ってたわ」

「ああ。綾は交流関係広かったから結構人数集まるだろうね」


この前同窓会をしたばかりなのに、またそういう雰囲気になりそうだ。
顔見知りが多いほうが賑やかな二次会になりそうなので、楽しみでもある。


「あんた、平気そうね。もうちょっと焦ってるかと思ったんだけど」

「え、なにが?」

「多分参加するわよ、近藤くん」


はっとした。

そうだ、忘れていた。
そこまで気がまわっていなかった。

完全に頭になかった、という私の顔を見て、マチが溜息をついた。


「あっきれた…こないだあんなことがあったのにもう忘れてたの?薄情なやつ!」

「ち、違う!忘れてたんじゃなくて存在そのものが頭の中に浮かんでこなかったっていうか…!」

「もっとヒドイわよ、それ」


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