予想外の恋愛






最後のゲームを終えた二次会は、いよいよ終わってしまうらしく、新郎が最後の挨拶を始めた。

私はゲームの景品を握りしめながら、もう一度綾の綺麗な姿を目に焼き付けた。


「景品なんだったの?」


マチに聞かれて、さっきもらった景品を開けてみた。


「…某遊園地の招待券」

「えっいいじゃない!担がれてただけでそんなのもらえるの?」

「申し訳なさすぎるよね」

「かなり盛り上がったからいいんじゃない?特にあんたら二人は注目の的だったし」

「嬉しくないよ…」



告白されてしまった。
高校生の時は私が告白したので、近藤くんからそう言ってくれたのは初めてだった。

なんで今なんだろう。

別れてすぐのタイミングで言われていたら、多分私は迷うことはなかった。

別れてからの7年間の近藤くんを私は知らない。
私の7年間を、彼は知っているとでも言うのだろうか。



「みなさん、今日はお越し頂き本当にありがとうございました!これをもちましてお開きとさせて頂きます」



その言葉をもって新郎新婦が退場した。
おそらく出口でお見送りをするのだろう。


「同級生達で3次会するみたいよ。ナギサ行くの?」

「いや、帰ろうかな。マチは?」

「私も帰る。明日ちょっと朝早いのよ。まああんたは帰りたくてもまだ帰れないと思うけど頑張りなさーい?」




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