予想外の恋愛
「だけど付き合ってからのナギサは、なんとなく俺と距離を作ってるような気がして…。彼女らしいことしてくれた時だってあったけど、その次の日にはそっけなくなってたりで。
もうわからなくなってた。…こいつ本当に俺のこと好きなのかって、疑問に思ってた」
「あ…」
ものすごく心当たりがある。
緊張して照れ臭くて、気持ちとは裏腹な態度を取っていた。
「そんな気持ちのまま付き合ってたら、俺自身ナギサのこと好きでいる自信すらなくなってた」
「それは…」
「待って、最後まで聞いて。全部話すから」
そう言った近藤くんの声はとても苦しそうで切ない。
そうさせているのは自分なのだということに気付いて、泣きそうになった。
「だからあの日、放課後の教室で言ったんだ。気持ちがわからないから別れて欲しいって…」
「…」
「そしたらナギサは泣きもせず引き止めもせず、わかったって言った。…やっぱり俺のことなんて好きじゃなかったんだなってショックだった。遊ばれてたのかとすら思った」
ドクドクと嫌な音がする。
あの頃の自分に飛び蹴りを入れたい気分だ。
「だけど俺、見たんだ。別れた次の日、屋上で」