予想外の恋愛
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「ナギサ、ひどい顔してる」
「マチ…。昨日ね、近藤くんに振られたんだ。…別れちゃった」
「そうかなとは思ってた。朝顔見たときに目がパンパンに腫れてたから…昨日だいぶ泣いたの?」
「自分の体内にあんなに水分があると思ってなかったよ」
「…もう、何強がってんの?今は私しかいないんだから泣いたらいいんだよ」
「うん。うん………っく」
「あーあ、ほんと損な性格してるねナギサって。目の前で泣き喚いてやれば良かったのに」
「近藤くんに…め、わく、かけたくな…」
「馬鹿!そんなになるまで我慢して、あんた自身が可哀想だよ」
「…好きなのに…大好きなのに、も、終わり……うう、無理い〜」
「はいはい、泣け泣け」
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「え!?うそ見てたの!?」
「ほんと偶然だったけど。俺、ナギサが泣いてるのあのときに初めて見たよ。別れた後家に帰って泣いてるナギサ想像して、すごい苦しくなった」
まさか見られているとは思わなかった。
近藤くんのことで学校で泣いたのは、あれが最初で最後なのに。
「…むちゃくちゃ後悔した。なんでナギサの気持ちを信じられなかったのか。だけどそれより、自分が思ってたよりずっとナギサのこと好きになってた俺自身に驚いた」