DarK wIngS
「そうか。残念だ。私ならその刻印を難なく消せるのだが。」彼は俯いた、だが目はミルカにある。
「刻印を消す事が出来る?馬鹿な、そんな事が出来るはずは無い。私の村一番の医者でも、消す事は出来なかったんだ。」ミルカは彼を信じることは出来なかった。
「でもどうやってゴブリン達から逃れられたんだ?」彼はミルカの言葉をかき消し質問をしてきた。反抗しても意味は無いと解ったのかミルカは素直に彼の質問に答えた。
「母が私の代わりになった。」ミルカは下唇を噛み目に涙をためた。彼女の大きく綺麗な瞳から一つ滴が落ちた。だがそれ以上涙は流れなかった。
「そうか、それは辛かったな。だがその刻印を消す前に、自己紹介だ。私はマーク・ポリス、丁度今月で16歳になる。ここでは、修行をしている。お前は?」マークは顎でミルカの事を指した。
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