歌姫
遇side‥。
いつからだろうか
屋上で眠るようになったのは‥。
屋上で歌を聞くようになったのは‥。
俺の名前は藤井遇(はる)
高校二年生。
四限目のチャイムがなると
俺は屋上へ向かう。
屋上の鍵を拾ったときに
合い鍵をつくったんだ。
カチャッ ギー カチャッ
眠りは邪魔されたくないからな
鍵はきちんとしめておく。
高台にのぼり
仰向けになって目をつぶる。
あったけーーー。
カチャッ ギー
ん?いつの間に寝てたんだ?俺
今日も来たんだなあの子。
上からじゃ顔が見えないけど
茶色のさらさらロングヘアー
雰囲気が可愛い。
でもなによりあの子の歌声と
ギターの音が好きだ。
♪‥。•♬‥。•♪‥。•♬‥。•♪‥。•♬‥。•♪
好きだな。この音。
あーやべ睡魔が。
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
あーよく寝た。
あの子は、いないか。
俺が早く来て遅く帰るから
顔みたこともなければ
名前もクラスも知らない。
あー眠い。
さぼろっかなー。
ブーッブーッブーッ
んだよ!!!!!
ーー祐樹ーーーーーーーーー
さぼってんのー?
寂しいからもどってこいよー
ーーーーーーーーーーーーー
祐樹はダチ。
俺のこと好きで(友達として。たぶん)
ちょっとしつこい(いや、かなり)
仕方ない、教室に戻るか。