CHAIN
gap
空虚
「みさ、また吸わないの?」
暗い空き地。
たくさんの人。
白い煙。
色んなお酒にお菓子。
愛理が私に問う。
『ん~。』
気の抜けた返事をするのは私。
友達の吸うタバコの煙を
ぼーっと眺めていた。
「みさって意外に真面目だよねぇ~」
愛理はそんな私に嫌みを一言言って他の仲間との会話にまじっていった。
そんな様子を
どこか遠くで感じる。
賑やかな話し声も。
道行く車の音も。
まぎれもなくそれは
私のすぐ近くで、
真横で起きているのに。
大通りを抜けてすぐの
暗がりに何にも使われていない
一つの空き地がある。
そこが私たちの
たまり場だった。