CHAIN


暗い裏道をぬけ
大通りにでる。



『どこ行くの?』



私わ隆也に問う。


『特になしっ!!』


「はあ??!!」



びっくりしてつい大声。
自分でも自分の声に
びっくりしたくらい。



『そんな驚く?』


隆也は笑った。



「……。」



「ねぇ??」



私ははずかしくなって
話題を変えた。


『ん?』


「あそこにいる人たちはどうやって出会ったの?」


あの空き地で毎日見るのは10人くらい。
3校くらいから
集まっているみたいだ。



『みんなダチだよ。俺ら5人があの空き地見つけたとき、もうあいつらがいたんだ。』



俺ら5人というのは
私たちの中学の

隆也 愛理 美里
健太 弘樹

この5人のこと。


つまりそう。
私と隆也は
同じ学校。



『あいつらがどうやって知り合ったかわ知んねえけどな。』



他の5人とは
話したことがない。が
私たちの中学の近くの
中学から来ている事は
確かだ。


『みんないい奴らだよ。…見た目あんなんだけど!』

隆也はそう言って
微笑んだ。
本当に笑顔が
よく似合う人。


金髪に
だぼっとしたジャージ。
たくさんのピアス。


とても人柄がよいとは
言えないけど
目が優しい人。でも…
奥にある悲しみまでは
隠せていない。



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