CHAIN
『ちょ~と待った!!!』
騒がしく歩き始めた私たちに声がふる。
『写真とってあげるから!!!』
その声の主わ私のママ
私たちわ急いで
声のほうへと向かう。
「しゅ~っ早くおいでよ!!!」
私わとろとろ歩いている修斗に向かって叫ぶ。
『やだよオレうつんないし』
『なに言ってんのよはやくしなさいよっ』
ななが修斗の腕を引く。
しぶしぶ引きずられる
修斗の姿がかわいくて
私の口は自然にゆるむ。
『はいはいいくよ~』
ママがカメラをかまえる。修斗ももう諦めた様子だ
私たち三人わ横並びになった。
『修斗っもうちょっとよって!』
ママの要求に修斗わいやそうな顔をする。
私わわざと修斗の肩に手を回し、思いっきりこっちにひきよせてやった。
『ちょっやめろっ…』
『はいっちーず!!』
修斗の嫌がる声に
すかさずママが
あいずをとり
修斗抵抗しなくなった。
笑顔の三人が
レンズにうつる。
私わこのときの写真を
今でも持っている。
こんなに幸せそうな笑顔
こんなに純粋な笑顔
今の私にわ絶対
できないから
だってあのときわ
何も知らなかったから
これから起こる
すべてのことを―…