Sweet Sweet Pain【短編】
ドーナツとコーヒーをテイクアウトして、駅前の壁にもたれて袋を開ける。
お行儀は悪いけど、ドーナツのためならいいや。
いつのまにか彼のことは忘れて、ドーナツのことで頭がいっぱい。
彼の遅刻はいつものことだから、あたしは時間のつぶし方を覚えてしまった。
袋を開けた途端、ヴァニラのいい香りがあたしを包む。
うきうきしながら、ぱくり、ひと口ほおばった。
口の周りにシュガーコーティングがべたつくけど、気にしない。
ふわふわのドーナツの感触を楽しむ。
しばらくすると、キャラメルソースの気配。
キャラメルのとろけるような甘さが口の中に広がって、至福を噛み締めたところで、歯にずきんと痛みがしみわたっていった。
慌ててコーヒーを取り出して口に流し込む。
そういえば、放置していた虫歯があったんだっけ。
ひと口かじったままのドーナツを持って、少しの間ぼーっとしていた。
しんしんと、まだ痛みは続く。
お行儀は悪いけど、ドーナツのためならいいや。
いつのまにか彼のことは忘れて、ドーナツのことで頭がいっぱい。
彼の遅刻はいつものことだから、あたしは時間のつぶし方を覚えてしまった。
袋を開けた途端、ヴァニラのいい香りがあたしを包む。
うきうきしながら、ぱくり、ひと口ほおばった。
口の周りにシュガーコーティングがべたつくけど、気にしない。
ふわふわのドーナツの感触を楽しむ。
しばらくすると、キャラメルソースの気配。
キャラメルのとろけるような甘さが口の中に広がって、至福を噛み締めたところで、歯にずきんと痛みがしみわたっていった。
慌ててコーヒーを取り出して口に流し込む。
そういえば、放置していた虫歯があったんだっけ。
ひと口かじったままのドーナツを持って、少しの間ぼーっとしていた。
しんしんと、まだ痛みは続く。