恋時雨
「姉ちゃん、早く準備しろって、母ちゃんがうっせぇぞ。」

準備中のあたしの部屋にいきなり入ってきたユズキは、偉そうにそう言った。

「あぁ。わかってるってば。それよりユズキ、ネクタイ曲がってるし。ふっ」

あたしはそれを軽く笑って、部屋に入ってきたユズキを廊下に追い出した。

「よし。準備OK!」

「麗奈、さっさとご飯食べちゃいなさい!」

「はーい。」

朝からカップラーメンかよっ。ったく。

そう思いながらも、あたしは渋々カップラーメンを食べた。

「ごちそうさま~」

「ほら、麗奈。急いで!電車が来ちゃう!」

「ふぁ~い」

欠伸まじりであたしは答えた。

あたしの家は、駅のすぐ近く。

家から歩いて5分程で着く距離。

だから、別に急がなくてもいいんだけどっ。


< 3 / 32 >

この作品をシェア

pagetop