あの続きは給湯室にて
「っていう夢を見たんだけどね。」
フィルターをコーヒーメーカーにセットしながら今日見た夢の内容を事細かに説明すると、それを聞いた彼はその目尻の上がった目を細めた。
その姿はまさに猫で、職場の先輩お姉様達が密かに彼のことをタマちゃんと呼んでいることを思い出す。
「お前……。」
「なーに?」
「夢を見たことはコントロール出来ない分仕方ないとして、それを本人に話すってなんなんだよ。」
なんなんだよ、と言われても。話したかったんだもん。
すでに挽かれてるコーヒー豆をスプーンでフィルターへ入れ、更に濃いめが好きな彼の為にもう少しだけ足し、メーカーに水を入れるとスイッチを押す。
ポタポタとコーヒーが徐々に落ちていくのを確認すると、体をシンクに預け彼の方を見る。
すると彼は未だにその顔を歪めていて、その態度になんとなく突っかかってみたくなった。
「っていうか、嫌がりすぎじゃない?」
「だってお前と俺がそうなるって、何が間違っても起こり得ないだろ。」
「……そーですね。」