あの続きは給湯室にて


彼の髪の毛は太陽に当たるとほんのりと茶色く見えるがこの時間では真っ黒だ。

そして短く切り揃えられた髪はツヤツヤというよりサラサラという言葉が似合う。

猫のような瞳に、筋の通った高い鼻。薄い唇からは綺麗な歯か並んでいて、顎のラインも完璧だ。

黙っていればクールそうに見えるもの、そんなことは全く無く。

馬鹿なことに力を注ぐことが大好きで、人目も気にせずに大笑いする。しかし仕事中に見せる姿は"出来る男"そのもので。

それに加え笑うと見える八重歯が可愛らしくも見せる。

格好良くもあり、可愛らしくもある。頼りがいもあり、仕事では真面目な姿を見せるけど、馬鹿なことにもとことん付き合ってくれる。


総合的に見て、玉城慎司という男はよくモテるのだ。


「そもそも何でお前、ちょっと良い女風なんだよ。」

「あはは、バレた?」

「何がもっと、だよ。」

冷蔵庫に体を預け、そこにマグネットで貼り付けられたメモを指で弾く。

そう悪態をつきながらそんな言葉を吐く彼だが、髪の隙間から見える耳はほんのりと赤い。


そんなところはやっぱり可愛らしくて、
私も彼が好きな女の中の一人だと実感する。

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