あの続きは給湯室にて


なんという名前かは知らないけど、薄くピンクがかった石のついたネックレスは可愛らしく、私の好みにもぴったりだった。

それを指先で遊びながらそう話すと、彼はその形の整った眉をひそめた。


「で、素直につけてるわけ?」

「……うん?」

「お前それくれた人って、倉田さんだろ。」

えっ、と驚く私を見つめる彼の眉は未だにひそめたままだ。

……彼の言う通り、これをくれたのは倉田さんなんだけど。

「なんでわかったの?」

「何でって言われても。」

体を預け、腕を組む。捲られた袖から腕がはっきり見える。背は高いもののそんなに筋肉質というイメージは無いのだが、その腕は血管が浮き出ていてとても逞しく見える。

……あぁ、その腕かっこいい。触りたい。


すると、彼が急に動き出した。

長い足でスタスタとこちらまで来ると、目の前で足を止めた。

そして右手をこちらへ伸ばしてきたかと思えば、つけているネックレスを手に取る。

その瞬間、少しだけ彼の指先が肌に触れた。

きっと彼にとってはなんでもない行為だが、私にとってはそれだけで心臓が騒ぎだすほどた。


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