あの続きは給湯室にて


「お前、倉田さんと付き合うの?」

「えっ?」

急に話が飛んだ。どうしてそうなるのかが不思議で何も答えられずそのまま彼を見ていると、私を見下ろしていた顔を反らす。


「……何でもない。」

……何でもないという風には見えないんだけど。

それでも、彼がそういうのだからそういうことなのだろう。

変なところで頑固というか、意地を張るようなところがあるから、きっとこれ以上追及したところで何も教えてくれないことはもう知っている。


それよりも距離が近い。

仮にも彼を好きな女の一人として、この距離は落ち着かない。


「ねぇ、ちょっと、」

近いんだけど。

そう口を開きかけた時だった。


異変に気がついた。

シンクの隣に置いてある小さな棚がカタカタと音をたて始めたのだ。

「……地震だ。」

「えっ、」

彼の言葉を理解したと同時に、激しい横揺れが襲った。

数年前に起こった大震災。それを思い出させるほどの大きな揺れは、私に恐怖を与えた。


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