夢魔~残酷な悪夢の世界へ~(リメイク&新章追加済み)
「ねぇ…お兄ちゃん。
最近、家の中に居て変な事が起きてない?」
そう訊ねてみる。
「えっ?
確かに…最近居ないはずの部屋に誰が居るように感じたりするけど…気のせいだと思うし」
「ち、違うよ!
この家に夢魔が、居るんだよ!!
私達をいつ殺そうか狙ってるの」
必死で言うが…
「お前大丈夫か?
そんなホラー映画の用な事言って…」
呆れて信じてもくれない。
「本当だって!!」
「どうしたの?そんなに怒鳴って?」
お母さんが、不思議そうに言いながら部屋に入ってくる。
「お袋…こいつなんか、寝ぼけた事言ってるぞ?
この家に夢魔?みたいなのが、居るとか…」
だが、溜め息を吐きながら
「はぁ~響子。何、馬鹿な事言ってんの!?
ホラー映画ばかり観てるからそんな幻覚を見るのよ!いい加減にして勉強でもしなさい」
そう言って叱られる。
酷い。
誰も信じてくれない。
確かに夢魔は、居るのに。