夢魔~残酷な悪夢の世界へ~(リメイク&新章追加済み)
「フフッ…あなたも同じね?
あの女が…憎い」
そう囁かれるように言われると消えて行った。
私は、恐怖のあまりそのまま座り込んでしまう。
そうしたらドアがスッと開いた。
「お、お客様!?
大丈夫ですか?」
開けたのは、店員だった。
「……。」
言葉が出ない。
「救急車でも呼びましょうか?」
顔色の悪い私を見て言う。
「いえ…大丈夫です。ただの貧血ですので」
正直に言っても信じてくれないだろう。
私に気づいた望美達は、私に駆け寄ってきた。
「恭子!?
大丈夫?やっぱり具合悪いんじゃあ…」
オロオロする望美。
「恭子大丈夫か?
やっぱりそのまま帰ろう。歩けるか?」
須賀先輩も心配そうに言ってくれる。
その気持ちは、嬉しいが…夢魔の言葉が頭から離れなかった。
「大丈夫…歩ける。
でも、確かに言う通り…帰るわ」
ふらふらになりながらも立ち上がる。