夢魔~残酷な悪夢の世界へ~(リメイク&新章追加済み)

「なるほど…そう言う事があったのか」
納得したように言う須賀先輩のお父さん。

「夢魔の力を抑えるには、催眠療法しかありません。
ですが…気づいたら、こうなってて…」

悔しい…元の世界に戻れない上に
私じゃどうする事も出来ない。

そうしたら
須賀先輩のお父さんは、優しく私の頭を撫でてくれた。

……えっ?

「怖く、辛かったな。大丈夫…俺も協力して元の世界に戻してあげるから」
そう言って優しく微笑んでくれた。

「……。」
その言葉に涙が溢れてきた。

皆同じようで…まったく違う。
私の知っている須賀先輩や望美じゃなくて辛かった。

だから余計…須賀先輩のお父さんの言葉が胸に突き刺さる。

「…元に戻りたい…」
泣きながら必死に伝えた。

夢魔もそんな人だから好きになったのかも知れない。

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