秘め恋*story4~病室で…~
そして、結局…
「今日も変わらず、駄目でしたか。」
「うん。」
「それにしても、僕にもたまにはドキドキしてほしいものだね。」
「だって、先生は先生だもん。」
「はっはっはっ。駄目かぁ。」
チャッ〇リンみたいな口髭を蓄えながら、優しく笑うこのおじいちゃん先生。
この倉内病院の院長先生。
私が物心ついた頃から知るおじいちゃん先生。
古谷先生にドキドキが止まらないため、いつも聴診はおじいちゃん先生の出番。
「美奈ちゃんだけよ?ここの看護師みんな応援してるの。」
ここの病院で古株の看護師、田中さんがフフフッて笑いながらそう言った。
「なかなか進歩しなくて、申し訳ないです!」
そう、私の古谷先生への好き好きアピールは、この病院ではもう当たり前のこと。
検査技師さんや、看護師さん、他の患者のおばあちゃん達にまで知られちゃってる。
まぁね。だって、毎回告っては流されての繰り返しなんですもの。
「この前なんか、新患の若いOLさんなんかもう散々。ことごとく、相手にされなかったからね。」
「うぐっ。ライバルがまた増える。。」
「大丈夫よー。美奈ちゃんはあの諦めないど根性さえあれば、構ってもらえるわよ。」
何か、励まされたようななんて言うか…