秘め恋*story4~病室で…~
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体の気だるさで目が覚めた。
体が熱くて、思うように動かない。
あ…私、熱があるのかぁ。。
あれ…ここ、どこだっけ?
はっきりしない意識の中で、私は見慣れない天井を見つめていた。
「起きたか?」
ふと、聞き慣れた低くて優しい声がすぐ近くで聞こえた。
あれ?
今の声…古谷先生?
「ここ、病院の入院棟。わかるか?」
「…病院…?」
「そうだ。もう、大丈夫だから。安心して。」
動かない顔を頑張って、横へ向けるとそこにはホッとするような笑みの古谷先生がいた。
「何で私…」
「広場のベンチで唸ってた所を大下さんがたまたま通りかかって見つけたんだ。」
「あ…」
うっすら大下さんの声が聞こえてたのは、夢じゃなかったんだ。
大下さんに今度、お礼しなきゃ…
ーーーーーーピタッ
ボーッとしていたところに突然、おでこに冷たさを感じてビクッとしてしまった。
「全く。今日言ったばっかりだっただろう?
風邪引いても診てやらないぞって。
早速、熱出して…って、君は子供か?」
私のおでこに感じた冷たさは、先生の冷たい手のひらだった。…気持ちいいなぁ。
先生はベットの横の丸椅子に座ると、呆れたようにため息をついた。
怒られた。
また子供扱いされた。
熱出しちゃったのは私が悪いんだけど…
だって、だって…
思わず、涙が伝って枕にしみを作った。
泣いたらまた、子供かって言われちゃうのに…
でも、でも、
「別に怒ってないから。ちゃんと、治るまで診てやるから…泣くな?」
意外にも怒られて泣いてると思った先生は、優しくそう言ってくれた。
怒られて泣いてないもん…違うんだよ。