雪系男子のゆうちゃん
黒板に書かれた「結城」の文字。
その先を辿ると…
「文化祭委員…文化祭…え、文化祭委員!?」
私は思わず、ガタッと立ち上がった。
「なんだ、今更。もう決まったかんな!」
別の話題を淡々とクラスに向かって講じていた委員長が、私をすっぱり切り捨てる。
「え…え、でも試合が…」
そう、実は空手の試合はすでに2週間後に迫っていて、放課後の委員会なんてものは行けるはずがない。
「あー、そうかお前試合あんのかー…
じゃ、誰か別のやつの方がいいか」
ありがたいことに、委員長がそう言って、クラスを見渡す。
「んーじゃあ、仕方ない!
もう一回くじびきだな!」
委員長の声に、女子がざわめきだす。
「きた!ラッキー!」
「次こそ私に幸あれ!!」
どうやら、文化祭委員は人気らしい。
「ね、なんで文化祭委員人気なの?楽しいの?」
私がとなりのゆうちゃんに聞くと、ゆうちゃんは無関心そうな顔をしながら
「俺がくじ当たったから」と言った。